第175回研究例会 2025.1.25(土)

■ 日時: 2025年1月25日(土) 13:30 ~ 17:00

■ 対面開催

■ 会場: 大阪市立住まい情報センター 5 階研修室
 〒530-0041 大阪市北区天神橋 6 丁目 4 番 20 号
 TEL.06-6242-1160 FAX.06-6354-8601

■ 交通
 ・Osaka Metro 谷町線又は堺筋線、阪急電鉄「天神橋筋六丁目」駅下車 3 号出口より連絡 徒歩約 5 分
 ・JR 環状線「天満」駅から北へ徒歩 7 分
※ 詳しくは大阪市立住まい情報センター HP をごらんください

■ テーマ:「布の現在」

■ 内容:
研究発表 1  酒井 稚恵 (テキスタイル・京都芸術大学) 「衣服と刺繍の修辞法について」

太古の昔から、人類は身の回りの植物や動物を使い、布をつくってきた。ほとんど形状を残してはいないが、さまざまな遺物からその存在を感じることができる。
そして、我々人類は布をまとい、共同体の中でさまざまなメッセージを発してきた。常にまとっている布であるにも関わらず、布に託されたメタファーに、私たちはどれほどの関心を払ってきただろうか。本稿では、自身の衣服と刺繍技法を使った作品制作について、表現の核となる比喩とともに述べたい。また民俗学的なアプローチは、今後の現代アートにとって重要な視点になるという考えのもと、現在研究している紐と表現についても考察したい。

研究発表 2  髙橋 亜希 (織物・大阪芸術大学) 「布から布へ」

近年取り上げられているサステナビリティ。布においてもサステナビリティが求められる時代となっている。環境省が掲げているサステナブルファッション。様々なブランドも注目しているワードであり、取り組みも様々である。自身が現在制作している織物(裂織)は古布やいらなくなった布を裂いて糸をつくり、その糸を織って再び布にしている。こういった同じような取り組みをしているブランドを取り上げ、現在のアパレル・テキスタイルを見ていきたい。また布が過去から現在にどのような発展や変化があったのか、素材についてや、作品との関わりも見ていきたい。

研究発表 3  舘 正明 (蠟染め・大阪芸術大学) 「昨今の蠟染め事情」

1910年代に鶴巻鶴一によって復活した蠟染めは数多くの作家によって様々な技法が研究され、多様な表現がなされている。私もその中のひとりで、蠟の防水性や染料の浸透性など素材が持つ特性を駆使した制作をし、発表を続けてきた。その活動の中で出会う多くの作家には、これまでとは異なる傾向の蠟染めを制作する作家が見られるようになったと感じている。本発表では、昨年、監修者として関わった「新鋭染色作家展」(染・清流館/京都)の出品作家6名及び他2名を取り上げ、蠟染めによって制作をする作家から見た、「昨今の蠟染め事情」を紹介する。 

※発表終了後、会場建物 8 階 大阪くらしの今昔館ギャラリー「布のすがた-いまむかし」展鑑賞(解説付き):15:40 ~ 17:00

■担当理事:小野山 和代