第177回研究例会 2025.7.19(土)

■ 日時: 2025年7月19日(土曜日) 13:30〜16:00
 * 対面のみの開催

■ 会場: 広島大学(東広島キャンパス) マップ
    総合科学部・事務棟M(広大マップ:W01) 3階・第一会議室(306室)
    ※事務棟M「正面玄関」のすぐ上階になります

■ 住所:〒739-8521 東広島市鏡山1丁目7番1号

■ 交通:
① JR山陽本線・西条駅より路線バス(広島大学方面行き循環)乗車約15分、「広大西口」にて下車。会場建物は直進徒歩すぐ。
注)JR西条駅へのアクセスは、運行本数の都合でJR新幹線「広島駅」利用(広島駅=西条駅間約40分)をお勧めします。なお、土日祝はJR西条駅からタクシー乗車約15分が便利です。

② JR新幹線・東広島駅(「こだま」のみ)利用あるいは広島空港利用の際は、会場建物までタクシー乗車をお勧めします。
※東広島キャンパス交通アクセス情報は コチラ

■ 内容:研究発表会

・研究発表1 出張 雄都(芸能・広島県庁 [一般事務職員])
「安芸・高田神楽の史的変容と現在 —演目『滝夜叉姫』を事例に—」
 ※舞手としての実例解説有り

広島県安芸高田市とその周辺では、郷土芸能「高田神楽」が盛んに上演され、秋祭りでの神社奉納だけでなく、各種の定期公演やイベントの特設会場等で一年中観ることができる。このような上演状況のなか、近年、戦後創作の演目に上演が偏っており、戦前からある伝統演目の継承が疎かになっている、との指摘がある。そこで本発表では、同一の題材・同一の演目名にもかかわらず、戦前と戦後とでそれぞれ異なるアプローチにより創作された『滝夜叉姫』を事例に、現役の舞子でもある発表者の実演も交えながら、新旧2つの『滝夜叉姫』を解説し、戦前の演目郡「旧舞」と戦後の演目郡「新舞」に潜む美意識の違い、演出意図の違いを明らかにしたい。さらに高田神楽の継承の未来にもひとこと言及したい。

・研究発表2 石橋 健太郎(歴史・福山大学非常勤講師)
「雲脚茶と大茶 —室町期特有の茶の湯の一形態—」

中世、特に室町期には、近世以降の茶道とは対照的といえる茶の湯が存在した。その一つである 「雲脚茶」(大茶)は、『看聞日記』や『師守記』などの記録にあらわれる茶の湯で、闘茶や、淋汗における茶の湯などとともに中世特有の茶の湯の一形式と推測されるものである。いずれもが現代に伝わる茶道の源流の一つと考えられるものであるが、実態の解明が進んでおらず、なかでも雲脚茶は最も不明な点が多い。そこで本発表では、室町期の茶の湯の具体的様相を探る一環として、雲脚茶について、文献資料を基に、茶葉の品質、庶民性などの視点から闘茶と比較しつつ考察をくわえる。

※17:00~、JR西条駅前の酒蔵通り散策、17:30~、近隣居酒屋で懇親会を予定。

■ 担当理事:桑島 秀樹(芸術学・広島大学)